「染めかえ」をお願いしたのは、イギリス製コットンのクルーネック・セーターで色はアイボリーでした。
随分昔に愛用していたのですが、胸の部分にシミが出来てしまったこともあり、
ずっとクローゼットの奥のほうに冬眠していたものです。
それが、こんな具合になるとは、実は予想していました!
それにしても、藍染め特有の微妙な色の濃淡が美しく、
おまけにもともと着古していたものだけに「クタっと感」があり実に満足。
そういえば、学生時代、ダイロンというインスタント染料を使って、
お気に入りのヘンリーネック・シャツを染めたものの、全然思った色にならずにがっかりしたことを思い出しました。
やはり「紺屋の紺袴」、ありがとうございます。
organ 武末充敏
手元に届いたカットソーは深く綺麗に染め上がり、
赤いステッチがキュートでナイスコンビネーション!思わずにんまり。
映画『地下鉄のザジ』で、いたずらな主人公ザジが着ていたまっ赤なシャツ。
アンナ・カリーナが『ANNA』で、巻いていたまっ赤なマフラー。
…フランス映画に夢中だった学生時代から、"シンボリックでフィルム全体を彩る「赤」"に魅せられて
「赤」の衣類を度々購入。
このシャツは現在唯一、ワードローブに生き残っていた「使用年数不明」の逸品。
映画万歳!な想いも封じ込める為に今回選んでいたので、
ステッチが染まらない素材だったことが、思い出の「赤」を残してくれる結果になり予想外の嬉しさ。
これぞまさに染めかえの醍醐味ですね。
職業柄、経年変化が大好きなので今後の藍色の変化も楽しみです。
organ 武末朋子
2010年11月 博多イベントでbefore→afterにご協力いただきました
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